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汽笛一声新橋を~で有名な鉄道唱歌の歌詞です。すでに歌詞はパブリックドメインになっています。
用語一覧(264件)
汽笛一声新橋を
きてきいっせいしんばしを
はや我汽車は離れたり
はやわがきしゃははなれたり
愛宕の山に入りのこる
あたごのやまにいりのこる
月を旅路の友として
つきをたびじのともとして
右は高輪泉岳寺
みぎはたかなわせんがくじ
四十七士の墓どころ
しじゅうしちしのはかどころ
雪は消えても消えのこる
ゆきはきえてもきえのこる
名は千載の後までも
なはせんざいののちまでも
窗より近く品川の
まどよりちかくしながわの
臺場も見えて波白く
だいばもみえてなみしろく
海のあなたにうすがすむ
うみのあなたにうすがすむ
山は上總か房州か
やまはかづさかぼうしゅうか
梅に名をえし大森を
うめになをえしおおもりを
すぐれば早も川崎の
すぐればはやもかわさきの
大師河原は程ちかし
だいしがわらはほどちかし
急げや電氣の道すぐに
いそげやでんきのみちすぐに
鶴見神奈川あとにして
つるみかながわあとにして
ゆけば橫濱ステーション
ゆけばよこはますてーしょん
湊を見れば百船の
みなとをみればももふねの
煙は空を焦がすまで
けむりはそらをこがすまで
横須賀ゆきは乘替と
よこすかゆきはのりかえと
呼ばれておるゝ大船の
よばれておるるおおふなの
つぎは鎌倉鶴が岡
つぎはかまくらつるがおか
源氏の古跡や尋ね見ん
げんじのこせきやたずねみん
八幡宮の石段に
はちまんぐうのいしだんに
立てる一木の大鴨脚樹
たてるひときのおおいちょう
別當公曉のかくれしと
べっとうくぎょうのかくれしと
歴史にあるは此蔭よ
れきしにあるはこのかげよ
こゝに開きし頼朝が
ここにひらきしよりともが
幕府のあとは何かたぞ
ばくふのあとはいずかたぞ
松風さむく日は暮れて
まつかぜさむくひはくれて
こたへぬ石碑は苔あをし
こたえぬせきひはこけあおし
北は圓覺建長寺
きたはえんがくけんちょうじ
南は大佛星月夜
みなみはだいぶつほしづきよ
片瀬腰越江ノ島も
かたせこしごええのしまも
たゞ半日の道ぞかし
ただはんにちのみちぞかし
汽車より逗子を眺めつゝ
きしゃよりずしをながめつつ
はや横須賀に着きにけり
はやよこすかにつきにけり
見よやドツクに集まりし
みよやどっくにあつまりし
わが軍艦の壯大を
わがぐんかんのそうだいを
支線をあとに立ちかへり
しせんをあとにたちかえり
わたる相模の馬入川
わたるさがみのばにゅうがわ
海水浴に名を得たる
かいすいよくになをえたる
大磯みえて波すゞし
おおいそみえてなみすずし
国府津おるれば馬車ありて
こうづおるればばしゃありて
酒匂小田原とおからず
さかわおだわらとおからず
箱根八里の山道も
はこねはちりのやまみちも
あれ見よ雲の間より
あれみよくものあいだより
いでゝはくゞるトン子ルの
いでてはくぐるとんねるの
前後は山北小山驛
ぜんごはやまきたおやまえき
今も忘れぬ鐵橋の
いまもわすれぬてっきょうの
下ゆく水のおもしろさ
したゆくみずのおもしろさ
はるかに見えし富士の嶺は
はるかにみえしふじのねは
はや我そばに來りたり
はやわがそばにきたりたり
雪の冠雲の帶
ゆきのかんむりくものおび
いつもけだかき姿にて
いつもけだかきすがたにて
こゝぞ御殿場夏ならば
ここぞごてんばなつならば
われも登山をこゝろみん
われもとざんをこころみん
高さは一萬數千尺
たかさはいちまんすせんじゃく
十三州もたゞ一目
じゅうさんしゅうもただひとめ
三島は近年ひらけたる
みしまはきんねんひらけたる
豆州線路のわかれみち
ずしゅうせんろのわかれみち
驛には此地の名をえたる
えきにはこのちのなをえたる
官幣大社の宮居あり
かんべいたいしゃのみやいあり
沼津の海に聞えたる
ぬまづのうみにきこえたる
里は牛伏我入道
さとはうしぶせがにゅうどう
春は花さく桃のころ
はるははなさくもものころ
夏はすゞしき海のそば
なつはすずしきうみのそば
鳥の羽音におどろきし
とりのはおとにおどろきし
平家の話は昔にて
へいけのはなしはむかしにて
今は汽車ゆく富士川を
いまはきしゃゆくふじかわを
下るは身延の歸り舟
くだるはみのべのかえりぶね
世に名も高き興津鯛
よになもたかきこうづだい
鐘の音ひゞく清見寺
かねのねひびくせいけんじ
清水につゞく江尻より
しみずにつづくえじりより
ゆけば程なき久能山
ゆけばほどなきくのうざん
三保の松原田子の浦
みほのまつばらたごのうら
さかさにうつる富士の嶺を
さかさにうつるふじのねを
波にながむる船人は
なみにながむるふなびとは
夏も冬とや思ふらん
なつもふゆとやおもうらん
駿州一の大都會
すんしゅういちのだいとかい
静岡いでゝ安倍川を
しずおかいでてあべかわを
わたればこゝぞ宇津の谷の
わたればここぞうつのやの
山きりぬきし洞の道
やまきりぬきしほらのみち
鞘より抜けておのづから
さやよりぬけておのずから
草なぎはらひし御劔の
くさなぎはらいしみつるぎの
御威は千代に燃ゆる火の
みいつはちよにもゆるひの
焼津の原はこゝなれや
やいづのはらはここなれや
春さく花の藤枝も
はるさくはなのふじえだも
すぎて島田の大井川
すぎてしまだのおおいがわ
昔は人を肩にのせ
むかしはひとをかたにのせ
わたりし話も夢のあと
わたりしはなしもゆめのあと
いつしか又も暗となる
いつしかまたもやみとなる
世界は夜かトン子ルか
せかいはよるかとんねるか
小夜の中山夜泣石
さよのなかやまよなきいし
問へども知らぬよその空
とえどもしらぬよそのそら
掛川袋井中泉
かけがわふくろいなかいずみ
いつしかあとに早なりて
いつしかあとにはやなりて
さかまき來る天龍の
さかまききたるてんりゅうの
川瀬の波に雪ぞちる
かわせのなみにゆきぞちる
この水上にありと聞く
このみなかみにありときく
諏訪の湖水の冬げしき
すわのこすいのふゆげしき
雪と氷の懸橋を
ゆきとこおりのかけはしを
わたるは神か里人か
わたるはかみかさとびとか
琴ひく風の濱松も
ことひくかぜのはままつも
菜種に蝶の舞坂も
なたねにちょうのまいさかも
うしろに走る愉快さを
うしろにはしるゆかいさを
うたふか磯の波のこゑ
うたうかいそのなみのこえ
煙を水に横たへて
けむりをみずによこたえて
わたる濱名の橋の上
わたるはまなのはしのうえ
たもと涼しく吹く風に
たもとすずしくふくかぜに
夏ものこらずなりにけり
なつものこらずなりにけり
右は入海しづかにて
みぎはいりうみしずかにて
空には富士の雪しろし
そらにはふじのゆきしろし
左は遠州洋ちかく
ひだりはえんしゅうなだちかく
山なす波ぞ碎けちる
やまなすなみぞくだけちる
豊橋おりて乘る汽車は
とよはしおりてのるきしゃは
これぞ豊川稻荷道
これぞとよかわいなりみち
東海道にてすぐれたる
とうかいどうにてすぐれたる
海のながめは蒲郡
うみのながめはがまごおり
見よや徳川家康の
みよやとくがわいえやすの
おこりし土地の岡崎を
おこりしとちのおかざきを
矢矧の橋に残れるは
やはぎのはしにのこれるは
藤吉郎のものがたり
とうきちろうのものがたり
鳴海しぼりの産地なる
なるみしぼりのさんちなる
鳴海に近き大高を
なるみにちかきおおだかを
下りておよそ一里半
くだりておよそいちりはん
ゆけば昔の桶狹間
ゆけばむかしのおけはざま
めぐみ熱田の御やしろは
めぐみあつたのみやしろは
三種の神器の一つなる
さんしゅのじんぎのひとつなる
その草薙の神つるぎ
そのくさなぎのかみつるぎ
あふげや同胞四千萬
あおげやどうほうしせんまん
名たかき金の鯱は
なたかききんのしゃちほこは
名古屋の城の光なり
なごやのしろのひかりなり
地震のはなしまだ消えぬ
じしんのはなしまだきえぬ
岐阜の鵜飼も見てゆかん
ぎふのうかいもみてゆかん
父やしなひし養老の
ちちやしないしようろうの
瀧は今なほ大垣を
たきはいまなおおおがきを
三里へだてゝ流れたり
さんりへだててながれたり
孝子の名譽ともろともに
こうしのめいよともろともに
天下の旗は徳川に
てんかのはたはとくがわに
歸せしいくさの關が原
きせしいくさのせきがはら
草むす屍いまもなほ
くさむすかばねいまもなお
吹くか膽吹の山おろし
ふくかいぶきのやまおろし
山はうしろに立ち去りて
やまはうしろにたちさりて
前に來るは琵琶の海
まえにきたるはびわのうみ
ほとりに沿ひし米原は
ほとりにそいしまいばらは
北陸道の分岐点
ほくりくどうのぶんきてん
彦根に立てる井伊の城
ひこねにたてるいいのしろ
草津にひさぐ姥が餅
くさつにひさぐうばがもち
かはる名所も名物も
かわるめいしょもめいぶつも
旅の徒然のうさはらし
たびのとぜんのうさはらし
いよ/\近く馴れくるは
いよいよちかくなれくるは
近江の海の波のいろ
おうみのうみのなみのいろ
その八景も居ながらに
そのはっけいもいながらに
見てゆくたびの樂しさよ
みてゆくたびのたのしさよ
瀬田の長橋横に見て
せたのながはしよこにみて
ゆけば石山観世音
ゆけばいしやまかんぜおん
紫式部が筆のあと
むらさきしきぶがふでのあと
のこすはこゝよ月の夜に
のこすはここよつきのよに
粟津の松にことゝへば
あわづのまつにこととえば
答へがほなる風の聲
こたえがおなるかぜのこえ
朝日將軍義仲の
あさひしょうぐんよしなかの
滅びし深田は何かたぞ
ほろびしふかたはなにかたぞ
比良の高嶺は雪ならで
ひらのたかねはゆきならで
花なす雲にかくれたり
はななすくもにかくれたり
矢走にいそぐ船の帆も
やばせにいそぐふねのほも
見えてにぎはふ波の上
みえてにぎわうなみのうえ
堅田におつる雁がねの
かたたにおつるかりがねの
たえまに響く三井の鐘
たえまにひびくみいのかね
夕ぐれさむき唐崎の
ゆうぐれさむきからさきの
松には雨のかゝるらん
まつにはあめのかかるらん
むかしながらの山ざくら
むかしながらのやまざくら
にほふところや志賀の里
におうところやしがのさと
都のあとは知らねども
みやこのあとはしらねども
逢坂山はそのまゝに
おうさかやまはそのままに
大石良雄が山科の
おおいしよしおがやましなの
その隠家はあともなし
そのかくれがはあともなし
赤き鳥居の神さびて
あかきとりいのかみさびて
立つは伏見の稲荷山
たつはふしみのいなりやま
東寺の塔を左にて
とうじのとうをひだりにて
とまれば七條ステーション
とまればしちじょうすてーしょん
京都々々と呼びたつる
きょうときょうととよびたつる
驛夫のこゑも勇ましや
えきふのこえもいさましや
こゝは桓武のみかどより
ここはかんむのみかどより
千有餘年の都の地
せんゆうよねんのみやこのち
今も雲井の空たかく
いまもくもいのそらたかく
あふぐ清涼紫宸殿
あおぐせいりょうししんでん
東に立てる東山
ひがしにたてるひがしやま
西に聳ゆる嵐山
にしにそびゆるあらしやま
かれとこれとの麓ゆく
かれとこれとのふもとゆく
水は加茂川桂川
みずはかもがわかつらがわ
祇園清水知恩院
ぎおんしみずちおんいん
吉田黒谷眞如堂
よしだくろたにしんにょどう
ながれも清き水上に
ながれもきよきみなかみに
君がよまもる加茂の宮
きみがよまもるかものみや
夏は納涼の四條橋
なつはすずみのしじょうばし
冬は雪見の銀閣寺
ふゆはゆきみのぎんかくじ
櫻は春の嵯峨御室
さくらははるのさがおむろ
紅葉は秋の高雄山
もみじはあきのたかおやま
琵琶湖を引きて通したる
びわこをひきてとおしたる
疏水の工事は南禪寺
そすいのこうじはなんぜんじ
岩切り拔きて舟をやる
いわきりぬきてふねをやる
知識の進歩も見られたり
ちしきのしんぽもみられたり
神社佛閣山水の
じんじゃぶっかくさんすいの
外に京都の物産は
ほかにきょうとのぶっさんは
西陣織の綾錦
にしじんおりのあやにしき
友禪染の花もみぢ
ゆうぜんぞめのはなもみじ
扇おしろい京都紅
おうぎおしろいきょうとべに
また加茂川の鷺しらず
またかもがわのさぎしらず
みやげを提げていざ立たん
みやげをさげていざたたん
あとに名殘は殘れども
あとになごりはのこれども
山崎おりて淀川を
やまざきおりてよどがわを
わたる向ふは男山
わたるむこうはおとこやま
行幸ありし先帝の
ぎょうこうありしせんていの
かしこきあとぞ忍ばるゝ
かしこきあとぞしのばるる
淀の川舟さをさして
よどのかわぶねさおさして
くだりし旅はむかしにて
くだりしたびはむかしにて
またゝくひまに今はゆく
またたくひまにいまはゆく
煙たえせぬ陸の道
けむりたえせぬくがのみち
おくり迎ふる程もなく
おくりむかうるほどもなく
茨木吹田うちすぎて
いばらきすいたうちすぎて
はや大阪につきにけり
はやおおさかにつきにけり
梅田は我をむかへたり
うめだはわれをむかえたり
三府の一に位して
さんぷのいつにくらいして
商業繁華の大阪市
しょうぎょうはんかのおおさかし
豐太閤のきづきたる
ほうたいこうのきずきたる
城に師團はおかれたり
しろにしだんはおかれたり
こゝぞ昔のなにわの津
ここぞむかしのなにわのつ
こゝぞ高津の宮のあと
ここぞたかつのみやのあと
安治川口に入る舟の
あじかわぐちにいるふねの
煙は日夜たえまなし
けむりはにちやたえまなし
鳥も翔らぬ大空に
とりもかけらぬおおぞらに
かすむ五重の塔の影
かすむごじゅうのとうのかげ
佛法最初の寺と聞く
ぶっぽうさいしょのてらときく
四天王寺はあれかとよ
してんのうじはあれかとよ
大阪いでゝ右左
おおさかいでてみぎひだり
菜種ならざる畑もなし
なたねならざるはたもなし
神崎川のながれのみ
かんざきがわのながれのみ
淺黄にゆくぞ美しき
あさぎにゆくぞうつくしき
神崎よりはのりかへて
かんざきよりはのりかえて
ゆあみにのぼる有馬山
ゆあみにのぼるありまやま
池田伊丹と名にきゝし
いけだいたみとなにききし
酒の産地もとほるなり
さけのさんちもとおるなり
神戸は五港の一つにて
こうべはごこうのひとつにて
あつまる汽船のかず/\は
あつまるきせんのかずかずは
海の西より東より
うみのにしよりひがしより
瀬戸内がよひも交じりたり
せとうちがよいもまじりたり
磯にはながめ晴れわたる
いそにはながめはれわたる
和田のみさきを控へつゝ
わだのみさきをひかえつつ
山には絶えず布引の
やまにはたえずぬのひきの
瀧見に人ものぼりゆく
たきみにひとものぼりゆく
七度うまれて君が代を
ななたびうまれてきみがよを
まもるといひし楠公の
まもるといいしなんこうの
いしぶみ高き湊川
いしぶみたかきみなとがわ
ながれて世々の人ぞ知る
ながれてよよのひとぞしる
おもへば夢か時のまに
おもえばゆめかときのまに
五十三次はしりきて
ごじゅうさんつぎはしりきて
神戸のやどに身をおくも
こうべのやどにみをおくも
人に翼の汽車の恩
ひとにつばさのきしゃのおん
明けなば更に乘りかへて
あけなばさらにのりかえて
山陽道を進まゝし
さんようどうをすすままし
天氣は明日も望あり
てんきはあすものぞみあり
柳にかすむ月の影
やなぎにかすむつきのかげ