I wanna! You wanna! 1

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※自己解釈

用語一覧(60件)

001

部活終わり、一人で家に帰っていた。

002

すると、カバンの中のスマホの画面が光った。

003

名前には『不破』と表示されている。

004

トーク画面を開くと、

005

『うちのホストクラブ集合!!!』

006

と、書いてあった。

007

こっちは部活終わりだぞと若干いらつきながらも、

008

了承の返事をかえして、食べかけだったマシュマロを1つ口にいれた。

009

そのときだった。

010

「もっちさーーーんっ!!!」

011

聞き慣れた声と見た目をした一人のおとこがこちらに向かってきた。

012

「甲斐田くんっ…!」

013

とびこんできたため、思わずハイタッチをしてしまった。

014

聞くと甲斐田くんは魔の研究が一段落ついたところで

015

不破からのメッセージが来たのだという。

016

魔は突然あらわれて、突然消えるので

017

ウタカタのようなものだと聞いたことがある。

018

魔と言っても、まだ見たこともあったこともないため、

019

僕にとっては幻想のようなものだったが。

020

「そういえば、もちさんってアニキのお店って…」

021

と、聞かれたがマシュマロをほおばっていたので

022

軽く首を左右にふる。

023

え”、と甲斐田君が声を発した。

024

「じゃあ、どうやっていくつもりで…」

025

「んー、…ふはっひはひひほふふぁほほほ。」

026

「はっ?」

027

マシュマロをほおばった状態で話したため、聞き取りずらかったのだろう。

028

口の中に入っている分を飲みこみ、言い直す。

029

「、んっ、…だからぁ、ふわっちが行きそうなところって。

030

あ、マシュマロ入ります?」

031

はぁ、とあきれたようなため息をつかれる。

032

「僕、知ってるので、ついてきてください!」

033

ぐいっと、手をひっぱられる。

034

「あ、ちょっ!」

035

036

そういって少しあるくと、看板のきらきらした

037

(治安の悪そうな)商店街がひろがっていた。

038

あちこちから、男性の罵倒の声や、女性の高い声が聞こえてくる。

039

僕は初めての環境に耐えきれず、きゅっと目をつむってしまった。

040

それに気がついたのか、甲斐田くんが手を握ってくれた。

041

「大丈夫。あとちょっとでつきますよ。」

042

「っ、ありがとうございます!」

043

次第に人の数が少なくなってきた。

044

不破君のお店は先ほど通った商店街とはちがい、

045

どこか上品な空気をまとっていた。

046

甲斐田君によると、お金持ちしか来れない、超セレブなホストだそう。

047

「あの、甲斐田くん。」

048

思わず語尾がふるえた。

049

「はい?」

050

甲斐田君が優しい声で聞き返してくれる。

051

「僕、まだ未成年じゃないですか。」

052

「……こんなとこ、入っていいんでしょうか…?」

053

沈黙が続く。

054

その沈黙を切りさいたのは甲斐田君のほうだった。

055

「ふ、あははっ!そんなこと気にしてたんですか?」

056

少し馬鹿にされたように感じ、むっとしたが、堪えた。

057

「大丈夫ですよ。いざとなったら不破さんの名前出せばいいんですし。」

058

笑いながらもちゃんと答えてくれた。

059

そこはやっぱり年上なんだな、と思った。

060

「ほらいきますよ」

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