インモータルフィロソフィー

嫌気がさすくらいの鈍色の空へと

いやけがさすくらいのにびいろのそらへと

伸ばした右手は虚空を掴んだ

のばしたみぎてはこくうをつかんだ

世界を羨んだ この世の片隅で

せかいをうらやんだこのせかいのかたすみで

彼女だけが私を見つけてくれた

かのじょだけがわたしをみつけてくれた

凛とした唄声だけが響いてる

りんとしたうたごえだけがひびいてる

いつも いつまでも

いつもいつまでも

無くした心を塗りつぶすように

なくしたこころをぬりつぶすように

私は唄を返す

わたしはうたをかえす

当たり前を受け入れて沈んでたはずの

あたりまえをうけいれてしずんでたはずの

私の心すら満たされて

わたしのこころすらみたされて

この世界の端っこだとしても

このせかいのはしっこだとしても

確かに繋がっていたんだ

たしかにつながっていたんだ

あれからどれくらいの時が経ったとしても

あれからどれくらいのときがたったとしても

すぐに思い出せる

すぐにおもいだせる

あれは一目惚れだろう

あれはひとめぼれだろう

「今度もここで会いましょう」

こんどもここであいましょう

なんて事のない約束

なんてことのないやくそく

でもそれが私を前に進ませていたんだ

でもそれがわたしをまえにすすませていたんだ

出会いは一期一会なんだろう

であいはいちごいちえなんだろう

それでも

それでも

それでも

それでも

今度会う時は少しだけでも

こんどあうときはすこしだけでも

強い私でいたくて

つよいわたしでいたくて

世の中は広すぎて見渡せないけど

よのなかはひろすぎてみわたせないけど

手の届く距離が私の世界だわ

てのとどくきょりがわたしのせかいだわ

次に会えた時は

つぎにあえたときは

きっと笑い返せるから

きっとわらいかえせるから

気まぐれに唄でも交わす

きまぐれにうたでもかわす

その日を楽しみにしてる

そのひをたのしみにしてる

あの日を懐かしんで少し色づいた記憶

あのひをなつかしんですこしいろづいたきおく

虚ろに笑う姿

うつろにわらうすがた

忘れてしまったの？

わすれてしまったの

憶えてなくていい

おぼえてなくていい

覚えきれて無くてもいい

おぼえきれてなくてもいい

私と貴女がいる それだけは確かなんだ

わたしとあなたがいるそれだけはたしかなんだ

ほら

ほら

嗚呼

ああ

あの頃を取り戻せなくて取り返せなくて

あのころをとりもどせなくてとりかえせなくて

上手く思い出せず

うまくおもいだせず

私は泣いていた

わたしはないていた

始まった場所で終わりを迎える

はじまったばしょでおわりをむかえる

命はとても尊くて

いのちはとてもとうとくて

二人で見上げた青空は何も遮るものが無くて

ふたりでみあげたあおぞらはなにもさえぎるものがなくて

私たちは最後までこの唄をうたう

わたしたちはさいごまでこのうたをうたう

私もいつの日か

わたしもいつのひか

記憶が霞むのだろう

きおくがかすむのだろう

大切な貴女の

たいせつなあなたの

顔も声も唄も全て

かおもこえもうたもすべて

忘れてしまうまで覚えていよう

わすれてしまうまでおぼえていよう

-fine-