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【宇宙用語が満載!】天文・宇宙なタイピングゲームの最新版「宇宙打+」(ソラウチプラス)のβ版です! 宇宙の天体・人工衛星・探査機・ロケット・観測機器などなど…宇宙の用語を打ち込んでタイピングの腕も磨いちゃおう! ・やや長め ・英数字あり(2、など) ・記号あり(・、=など) https://sorauchi.com/
用語一覧(176件)
ALH84001
ALH84001
南極大陸で採取された、火星起源の隕石の破片です。ALHはこの隕石の発見場所である「アラン・ヒルズ」という南極の山脈を指します。内部から細菌のような生命体の化石らしきものが確認され、地球外生命の痕跡ではないかと取り沙汰されましたが、結論は出ていません。
H-IIAロケット
H-2Aろけっと
日本の大型主力ロケットで、2001年 から運用され人工衛星・探査機の打ち上げミッションを継続的に支えています。JAXA内での表記は「H-IIAロケット」で、発音は「えいちつーえー」ですが、報道では「H2Aロケット」「H-2Aロケット」と表記され、「えいちにえー」と発音される場合が多いです。
大型低温重力波望遠鏡KAGRA
おおがたていおんじゅうりょくはぼうえんきょうKAGRA
岐阜県飛騨市にある神岡鉱山の中に建設された重力波検出器です。KAGRAの愛称は、神岡のKA、Gravity(重力)のGRAからきています。東京大学宇宙線研究所を中心として、国立天文台重力波プロジェクト、高エネルギー加速器研究機構など国内外の多くの大学、研究機関が協力しています。
SN1987A
SN1987A
大マゼラン雲内に発見された超新星です。SNは超新星(supernova)を指し、1987は観測された1987年を、Aはその年に最初に観測された、という意味です。
干渉計型重力波アンテナTAMA300
かんしょうけいがたじゅうりょくはあんてなTAMA300
国立天文台の重力波プロジェクト推進室が運用している重力波検出器の名称です。1995年より国立天文台三鷹キャンパス内に設置されているファブリー-ペロー型マイケルソン干渉計です。300は基線長が300mであるところからきています。
X線天文衛星すざく
Xせんてんもんえいせいすざく
日本のX線天文衛星(第23号科学衛星ASTRO-EII)です。2005年7月10日に内之浦宇宙空間観測所よりM-Vロケット6号機により打ち上げられました。名前は伝説上の神鳥であり宇宙の守護神でもある朱雀が由来の一つです。
X線天文衛星ひとみ
Xせんてんもんえいせいひとみ
日本のX線天文衛星(第26号科学衛星 ASTRO-H)です。2016年2月17日に種子島宇宙センターよりH2Aロケット30号機で打上げられました。運用開始後まもなくして姿勢制御系の異常が発生し短期間で運用を終了しました。
アインシュタイン方程式
あいんしゅたいんほうていしき
万有引力や重力場について説明する方程式です。物理学者アルベルト・アインシュタインが提唱した一般相対性理論の基礎方程式であることからその名前がつきました。宇宙に存在する物質のエネルギーと運動量が、万有引力定数を介して宇宙の幾何学的構造を決定するという形の式になっています。
アクティブ・フェイズドアレイ・アンテナ
あくてぃぶ・ふぇいずどあれい・あんてな
フェーズドアレイアンテナの一種です。フェーズドアレイアンテナは、複数のアンテナ素子を配列し、その位相を制御することで電波ビームの電子走査を可能とします。このうち、素子アンテナと移相器とのあいだに増幅回路(送信用増幅器・受信用低雑音増幅器)のようなアクティブな回路を挟むものをアクティブ方式と称しています。ちなみに略称はAPAAで、PPAPに似ています。
アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計
あたかまおおがたみりはさぶみりはかんしょうけい
チリ・アタカマ砂漠に建設された大型電波干渉計です。略称をALMA(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array:アルマ)といいます。ALMAはスペイン語で「魂」や「いとしい人」を意味する単語です。2013年に本格的な運用を開始し、圧倒的な角分解能と集光力で画期的な成果を挙げています。
アメリカ航空宇宙局
あめりかこうくううちゅうきょく
NASA(National Aeronautics and Space Administration)のことで、アメリカ合衆国政府内における宇宙開発に関わる計画を担当する連邦機関です。1958年に設立されました。アポロ計画による人類初の月面着陸、宇宙往還機スペースシャトルの実現、国際宇宙ステーションの運用支援など宇宙開発において数多くの成果を挙げています。
アンドロメダ銀河
あんどろめだぎんが
アンドロメダ座に位置する渦巻銀河です。メシエカタログ番号はM31、NGCカタログ番号はNGC224です。地球から約250万光年の距離に位置しており、肉眼でも見ることができます。私たちが住んでいる銀河(銀河系)のお隣の銀河としても有名で、最近の観測によれば約40億年後に銀河系とほぼ正面衝突してそのうち一体化するものと考えられています。
アンビリカルケーブル
あんびりかるけーぶる
発射装置に据えられたロケットに対し、発射準備のための電源や信号を供給する電線のことです。「へその緒」を意味し、宇宙遊泳を行う宇宙飛行士と宇宙ステーションなどとの間をつなぐケーブルの名称としても使われます。とある汎用人型決戦兵器に対して電源を供給するケーブルの名称としても有名です。
一般相対性理論
いっぱんそうたいせいりろん
アルベルト・アインシュタインが1915年から1916年にかけて発表した物理学の理論です。同氏が1905年に発表した特殊相対性理論を発展させたもので、重力の効果を時空のゆがみでとらえるものとなっています。アインシュタイン方程式によって表され、重力波やブラックホール、重力レンズ効果などはこの一般相対性理論を表現する重要な天文現象です。
いて座Aスター
いてざAすたー
天の川銀河の中心にある明るくコンパクトな天文電波源で、より大規模な構造のいて座Aの一部です。2022年5月に、ブラックホールの直接観測を目指す国際プロジェクトであるイベントホライズンテレスコープ (EHT)が、この領域にある超大質量ブラックホールの直接観測に成功しました。
イプシロンロケット
いぷしろんろけっと
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とIHIエアロスペースが開発した小型人工衛星打ち上げ用の使い捨て型固体燃料ロケットです。直訳すると「事象の地平線望遠鏡」。英語の頭文字を取ってEHTと略称される。多数のミリ波・サブミリ波望遠鏡によりブラックホールの物理の解明を目指す国際研究プロジェクトのこと。内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられます。
イベント・ホライズン・テレスコープ
いべんと・ほらいずん・てれすこーぷ
地球上にある電波望遠鏡を超長基線電波干渉法(VLBI)を用いて結合させ、銀河の中心にある巨大ブラックホールの姿を捉えるプロジェクトの名称で、EHTと略されることもあります。これまでに楕円銀河M87と「いて座A*」の中心にある超巨大ブラックホールの直接撮影に成功しています。イベントホライズンとは情報伝達の境界面のことで「事象の地平線」とも直訳されます。
インフレーション理論
いんふれーしょんりろん
初期の宇宙が指数関数的な急膨張(インフレーション)を引き起こしたという、初期宇宙の進化モデルのことです。1981年に佐藤勝彦やアラン・グースによって提唱されました。インフレーションという命名は、宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものです。
臼田宇宙空間観測所
うすだうちゅうくうかんかんそくじょ
長野県佐久市にあるJAXAの施設です。現在はJAXA統合追跡ネットワーク技術部が維持管理を行い、宇宙科学研究所(ISAS)が運用を行っています。本観測所のメインとなる64mパラボラアンテナは建設当時は東洋一の大きさで、小惑星探査機はやぶさや月周回衛星かぐやなど、遠方の探査機と通信を行っています。
内之浦宇宙空間観測所
うちのうらうちゅうくうかんかんそくじょ
鹿児島県肝属郡肝付町(旧内之浦町)にあるJAXAの施設です。主にロケット打ち上げを行っており、固体燃料ロケットであるカッパ、ラムダ、ミュー、イプシロンなどを打ち上げています。建設当時、世界のロケット発射場は平地にしかなかったため、世界初の山地にたつロケット発射場となりました。
宇宙科学研究所
うちゅうかがくけんきゅうしょ
日本の宇宙科学の研究を行うJAXAの機関で、通称ISAS(アイサス)と呼ばれます。神奈川県相模原市に拠点があります。2003年に宇宙開発事業団(NASDA)、航空宇宙技術研究所(NAL)と統合してJAXAになりましたが、統合以降もISASとして親しまれています。小惑星探査機はやぶさのプロジェクトなどで有名です。
宇宙航空研究開発機構
うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこう
2003年10月に発足した日本の宇宙開発機関です。宇宙開発事業団(NASDA)、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)の3機関が統合して発足しました。英文名称のJapan Aerospace Exploration Agencyの略称を取ってJAXA(ジャクサ)と呼ばれ、政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的実施機関となっています。
宇宙ステーション補給機こうのとり
うちゅうすてーしょんほきゅうきこうのとり
国際宇宙ステーション(ISS)へ食料・水などの物資や機材を届ける日本の無人宇宙補給機です。愛称を「こうのとり」といいます。H-IIBロケットに搭載されて種子島宇宙センターから打ち上げられます。2009年の技術実証機(1号機)から2020年の9号機まですべての補給ミッションを完遂し、その役割を終えました。
宇宙の大規模構造
うちゅうのだいきぼこうぞう
宇宙の中で銀河の分布が示す構造のことです。せっけんの泡がくっつきあっている様子に似ていることから宇宙の泡構造とも呼ばれています。この泡にあたる部分をボイドと呼び、そのふちにあたる部分には銀河や銀河団が連なっています。
宇宙の晴れ上がり
うちゅうのはれあがり
宇宙が誕生してから約38万年後の様子を表す用語です。ビッグバン直後の宇宙は超高温・超高密度であり光がまっすぐ進めず先が見通せない「霧がかかったような状態」でしたが、だんだんと宇宙の膨張によって温度と密度が下がり、光がまっすぐ進め「霧が晴れたような状態」になったため、このように表現しています。晴れ上がり前の宇宙は原理的に観測できません。
宇宙マイクロ波背景放射
うちゅうまいくろははいけいほうしゃ
宇宙の天球上の全方向からほぼ同じように観測されるマイクロ波のことで、宇宙の晴れ上がり時点から届く黒体放射です。Cosmic Microwave Backgroundの略称を取ってCMBとも呼ばれます。宇宙のはじまりを知るための大切な手がかりです。
衛星コンステレーション
えいせいこんすてれーしょん
複数の人工衛星でつくられるシステムのことです。コンステレーションとは星座のことで、複数の人工衛星(星)が協調して動作する様子が星座のようであることから名付けられました。例としてGPS衛星が挙げられ、他にも国内外で多数の小型衛星により通信や観測を行うプロジェクトが計画されています。
エキセントリックプラネット
えきせんとりっくぷらねっと
太陽系外惑星において発見された、軌道離心率の大きなタイプの惑星の名称です。太陽系の惑星は基本的に真円に近い軌道を描いていますが、宇宙で発見された太陽系外惑星は楕円軌道が多く、エキセントリック(eccentric)という言葉は「楕円軌道の」という意味と「奇妙な、常軌を逸した」という意味の両方があり、ダブルミーニングとして広く使われるようになりました。
エッジワース=カイパーベルト天体
えっじわーす=かいぱーべるとてんたい
めい王星の軌道の外側にあるベルト状の領域に属する天体です。1951年に二人の天文学者、アイルランドのエッジワースとアメリカのカイパーが、めい王星の軌道の外側に短周期彗星の「巣」とされるベルト状の領域があると予測したことにちなんで名づけられました。頭文字をとって「EKBO」(えくぼ)と呼ばれることもあります。
エルゴ領域
えるごりょういき
回転するブラックホールの外側に位置する領域のことです。古代ギリシア語で仕事を意味する語、ergonに由来します。事象の地平面の外側に位置する、赤方偏移が無限大となる面に囲まれた領域を指し、この領域からはエネルギーと質量を取り出すことが理論的に可能であるとされています。
エンセラダス
えんせらだす
土星の第2衛星です。1789年にウィリアム・ハーシェルによって発見されました。エンケラドス、エンケラドゥスなどとも表記されます。生命が存在する可能性を持つ衛星として知られており、2023年6月には地球の生命に必須の元素リンが豊富に存在しているのを発見したと発表され、生命体の可能性がますます高まってきています。
欧州宇宙機関
おうしゅううちゅうきかん
1975年5月にヨーロッパ各国が共同で設立した、宇宙開発・研究機関です。本部はフランスに置かれ、Agence spatiale européenneEuropean Space Agencyという正式名称からASEまたはESAと呼ばれています。アリアンロケットによる人工衛星打ち上げ事業に定評があり、日本のJAXAと水星探査機を共同開発するなどもしています。
オウムアムア
おうむあむあ
史上初めて地球の近くを通過することが観測された恒星間天体(太陽系外から飛来した天体)です。2017年10月にマウイ島のハレアカラ山頂にあるパンスターズ望遠鏡「PS1」によって発見されました。名称はハワイ語で「遠方からの初めての使者」を意味します。その想像図は長細い岩石のようで奇妙な軌道を描いており、エイリアンの宇宙船だと指摘する科学者もいました。
おとめ座超銀河団
おとめざちょうぎんがだん
私たちが住む銀河系(天の川銀河)、アンドロメダ銀河、大マゼラン雲などからなる局所銀河群を含む超銀河団です。直径は約2億光年とされており、およそ100の銀河群・銀河団からなり、その中心にはおとめ座銀河団があります。
オルバースのパラドックス
おるばーすのぱらどっくす
「もし宇宙が無限に広いのなら、地上から空を見上げた時にやがて何かしらの星にぶつかるはずで、空は太陽面のように明るく輝くはず。だが実際はそうではない。」というパラドックス(逆説)です。18~19世紀の天文学者、ヴィルヘルム・オルバースに由来します。現在では宇宙は無限ではなく有限で、星の数は限られており、このパラドックスは成立しないとされています。
温室効果ガス観測技術衛星いぶき
おんしつこうかがすかんそくぎじゅつえいせいいぶき
2009年1月23日にH-IIAロケット15号機により打ち上げられた日本の地球観測衛星です。英名をGreenhouse gases Observing SATelliteといい、その頭文字をとってGOSAT(ゴーサット)とも呼ばれており、「いぶき」は愛称です。その名の通り二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの濃度分布などを測定します。
温室効果ガス観測技術衛星いぶき2号
おんしつこうかがすかんそくぎじゅつえいせいいぶき2ごう
2018年10月29日にH-IIAロケット40号機により打ち上げられた日本の地球観測衛星です。英名をGreenhouse gases Observing SATellite-2といい、その頭文字をとってGOSAT-2(ゴーサット-2)とも呼ばれており、「いぶき2号」は愛称です。初代の「いぶき」とともに温室効果ガスの観測を行っています。
温室効果ガス・水循環観測技術衛星
おんしつこうかがす・みずじゅんかんかんそくぎじゅつえいせい
2023年時点で開発中である日本の地球観測衛星です。英名をGlobal Observing SATellite for Greenhouse gases and Water cycleといい、その頭文字をとってGOSAT-GWと呼ばれています。愛称はまだありません。GOSATシリーズとGCOMシリーズのミッションを発展的に継続する計画です。
オールトの雲
おーるとのくも
太陽系の外側を球状に取り巻いていると考えられている理論上の天体群のことです。オランダの天文学者ヤン・オールトが提唱したことからこの名前が付きました。大きさとしては、およそ1万天文単位~10万天文単位(1天文単位は太陽から地球までの距離で約1億5,000万km)と考えられています。
火星探査機のぞみ
かせいたんさきのぞみ
1998年7月4日にM-Vロケット3号機により打ち上げられた日本の探査機です。計画名はPLANET-Bで「のぞみ」は愛称です。スイングバイで予定した速度を得られなかったものの運用を見直し火星へ接近する軌道への投入に成功しましたが、最終的に通信が途絶え火星周回軌道への投入を断念しました。この時の経験がその後の小惑星探査機はやぶさに活かされています。
カッシーニの間隙
かっしーにのかんげき
土星の環のうちA環とB環の間にある隙間のことです。1675年にフランスの天文学者、ジョヴァンニ・カッシーニによって発見されたことから名付けられました。条件が良ければ市販の望遠鏡でも観察・撮影することが可能です。
カミオカンデ
かみおかんで
1980年代初めに岐阜県神岡鉱山の地下1000mの場所に建設された水チェレンコフ検出器。SN1987Aからの超新星爆発に伴うニュートリノや太陽ニュートリノ欠損を検出し、建設を主導した小柴昌俊東京大学名誉教授は2002年のノーベル物理学賞を受賞した。
かみのけ座超銀河団
かみのけざちょうぎんがだん
かみのけ座の方向約3億光年の距離にある超銀河団で、史上初めて発見された宇宙の大規模構造です。おもにかみのけ座銀河団としし座銀河団で構成されており、確認されているだけでも3,000個以上の銀河が存在しています。なお、かみのけ座はあまりなじみのない星座ですが、春の星座としておなじみのしし座の近くにあり、古代エジプトの王妃ベレニケの髪の毛と伝えられています。
ガンマ線バースト
がんませんばーすと
宇宙において突発的に発生する、ガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出される物理現象です。1967年にアメリカの核実験監視衛星「Vela」が偶然発見しました。その現象の原因として、中性子性やブラックホールの衝突、あるいは極超新星によって引き起こされるなど、いくつかの仮説がありますが、はっきりしたことはよく分かっていません。
気候変動観測衛星しきさい
きこうへんどうかんそくえいせいしきさい
2017年12月23日にH-IIAロケット37号機により打ち上げられた日本の地球観測衛星です。地球環境変動観測ミッション(Global Change Observation Mission:GCOM:ジーコム)の衛星であり気候変動(climate)に関する衛星の初号機であることから、GCOM-C1とも呼ばれます。「しきさい」は愛称です。
きぼう日本実験棟
きぼうにほんじっけんとう
JAXAが開発した日本の宇宙実験棟です。国際宇宙ステーション(ISS)を構成するモジュールのひとつです。計画時はJapanese Experiment Module(JEM:ジェム)と呼ばれていました。スペースシャトルにより打ち上げられ運用を開始して以来、宇宙空間における様々な実験に活用されています。超小型人工衛星を軌道投入できる機能も持っています。
金星太陽面通過
きんせいたいようめんつうか
地球から見て金星が太陽の手前側を黒い円形のシルエットとして通過していくように見える天文現象です。金星の日面通過などとも呼ばれます。近年では2012年6月6日に見られましたが、非常にまれな現象で、次回は2117年に起こるとされています。
金星探査機あかつき
きんせいたんさきあかつき
2010年5月21日にH-IIAロケット17号機により打ち上げられた日本の探査機です。2010年12月7日に金星の周回軌道投入に失敗したものの、軌道計算をしなおして運用を継続し、2015年12月7日に軌道再投入に成功しました。その後金星の画像を多数撮影し、当初の目的であったスーパーローテーションの謎を解明する論文の発表に貢献するなど大きな成果を得ました。
技術試験衛星きく8号
ぎじゅつしけんえいせいきく8ごう
2006年12月18日にH-IIAロケット11号機により打ち上げられた日本の技術試験衛星です。Engineering Test Satelliteの8号機であることからETS-VIII(イーティーエスエイト)とも呼ばれます。「きく」は技術試験衛星シリーズの愛称です。移動体通信の実証を行いました。「きくはちぞう」というシンボルキャラクターがいます。
クォーク=ハドロン相転移
くぉーく=はどろんそうてんい
宇宙が膨張することにより相転移が起こってクォークがハドロンに閉じ込められる現象のことです。生まれたての宇宙は超高温・超高密度であるためクォークなどの素粒子が自由に飛び回っていたと考えられますが、その後低温・低密度化することでクォークが結合し、陽子・中性子・中間子などのハドロンになると考えられます。相転移とは水が氷に変化するように相が変わることを指します。
雲エアロゾル放射ミッション
くもえあろぞるほうしゃみっしょん
日本と欧州が協力して開発を進めている地球観測衛星です。2023年に打ち上げが予定されています。搭載する4つのセンサにより、雲やエアロゾル(大気中に存在するほこりやちりなどの微粒子)の全地球的な観測を行い、気候変動予測の精度向上に貢献します。
グリニッジ天文台
ぐりにっじてんもんだい
1675年にイギリス国王チャールズ2世によってロンドンの郊外グリニッジに設立された天文台です。1851年に当時の台長エアリーが子午環(天体の南中時刻や南中高度を正確に測る装置)を設置し、この地点にグリニッジ平均時を定めました。その後、世界共通の経度の基準(本初子午線)にも定められ、世界の経度および時刻の基準となりました。
原始惑星系円盤
げんしわくせいけいえんばん
地球や木星のような惑星は、太陽が生まれたころに太陽の周りを回っていたガスやチリの集まりから生まれたと考えられています。これらは円盤状に広がっており、これを原始惑星系円盤といいます。原始惑星系円盤にどれくらいのガスとチリが存在し、それがどのように分布しているかを知ることで、そこからどのような惑星系が生まれるかを知ることができます。
高性能可視赤外放射計2型
こうせいのうかしきんせきがいほうしゃけい2がた
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に搭載されたセンサです。英名をAdvanced Visible and Near Infrared Radiometer-2といい、その頭文字をとってAVNIR-2(アヴニールツー)とも呼ばれます。可視・近赤外域の観測波長を用いて、主に陸域、沿岸域を観測します。初代のAVNIRは「みどり」に搭載されました。
高性能マイクロ波放射計3
こうせいのうまいくろはほうしゃけい3
温室効果ガス・水循環観測技術衛星GOSAT-GWに搭載されるセンサです。英名をAdvanced Microwave Scanning Radiometerといい、その頭文字をとってAMSR3(アムサースリー)とも呼ばれます。地表や海面、大気などから放射されるマイクロ波を観測します。AMSRは「みどりII」に、AMSR2は「しずく」に搭載されました。
光電子増倍管
こうでんしぞうばいかん
光電効果により放出された電子を増幅することで高い感度を実現する光センサです。天文学の分野ではカミオカンデやスーパーカミオカンデに設置されニュートリノ観測用に使用されています。
黄道十二星座
こうどうじゅうにせいざ
おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座の12星座のことです。天球上の太陽の通り道である黄道に沿って並んだ星座のうち、へびつかい座以外のものです。星座占いでも使われ、「自分の星座」が何かを知っている方も多いでしょう。ぜひ夜空で「自分の星座」を探してみてください。
小型高機能科学衛星れいめい
こがたこうきのうかがくえいせいれいめい
2005年8月24日にドニエプルロケットにより打ち上げられた日本の技術実証衛星です。英名をINnovative-technology Demonstration EXperimentといい、その頭文字をとってINDEX(インデックス)とも呼ばれており、「れいめい」は愛称です。最新衛星技術の実証やオーロラ観測などを目的として開発されました。
小型ソーラー電力セイル実証機IKAROS
こがたそーらーでんりょくせいるじっしょうきIKAROS
2010年5月21日にH-IIAロケット17号機により打ち上げられた日本の実証機です。「太陽放射で加速する惑星間凧宇宙船」を意味する英語のinterplanetary kite-craft accelerated by radiation of the Sunの頭文字をとり、ギリシア神話の登場人物にもなぞらえて、IKAROS(イカロス)と名付けられました。
国際宇宙ステーション
こくさいうちゅうすてーしょん
高度400m付近で地球を周回する宇宙基地です。アメリカのNASA、日本のJAXA、ヨーロッパのESAなど5つの宇宙機関が参加するプロジェクトです。英名をInternational Space Stationといい、その頭文字をとってISS(アイエスエス)とも呼ばれます。宇宙環境の実験や月・火星への拠点として活用されています。
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト
こくりつてんもんだい4じげんでじたるうちゅうぷろじぇくと
空間(3次元)と時間(1次元)の4次元で、デジタルデータを使ったコンピュータグラフィックスにより宇宙を表現するプロジェクトです。「4次元デジタル宇宙」を英訳すると4-Dimensional Digital Universeとなるため、その頭文字をとった上でDDをD2と記載し4D2U(フォーディーツーユー)プロジェクトとも呼ばれます。
国立天文台水沢VLBI観測所
こくりつてんもんだいみずさわVLBIかんそくしょ
岩手県奥州市水沢にある国立天文台の観測所です。VLBIとは超長基線電波干渉法のことで、精密な銀河マップを作製することを目的に、日本各地のVLBI観測点のデータの解析を行っています。2015年に就任した本間希樹所長やこの観測所の研究員らが参画する国際プロジェクト「イベントホライズンテレスコープ」がブラックホールの撮影に成功したことから注目を集めました。
コロナ質量放射
ころなしつりょうほうしゃ
太陽から大量のプラズマが放出される現象です。英名のCoronal Mass Ejectionの頭文字をとってCMEとも呼ばれます。もともとは太陽フレアに伴う爆風と考えられていましたが、のちに大質量を伴うものと分かりこの名前がつきました。その質量は10の12乗kgにも達することがあり、宇宙飛行士や飛行機パイロットの人体に与える影響が大きいと考えられています。
合成開口レーダー
ごうせいかいこうれーだー
航空機や人工衛星に搭載される観測用のレーダーです。軌道上を移動しながら送受信を繰り返し、小さな開口面(レーダーの直径)であるアンテナを合成して大きな開口面であるアンテナを実現することから、「合成開口」と呼ばれます。英名のSynthetic Aperture Radarの頭文字をとってSAR(サー)とも呼ばれます。「だいち2号」などに搭載されています。
シェーンベルグ=チャンドラセカール限界
しぇーんべるぐ=ちゃんどらせかーるげんかい
恒星が主系列段階を離れ赤色巨星へと進化をしていく際に、まだ核融合に至っていないヘリウム中心核が重力収縮を止めて静水圧平衡を保つことができる限界質量のことです。1942年にこの値を推定したブラジルのマリオ・シェーンベルグとアメリカのスブラマニアン・チャンドラセカールに因んで命名されました。なお、「チャンドラセカール限界」とは異なります。
シュテファン=ボルツマンの法則
しゅてふぁん=ぼるつまんのほうそく
単位時間あたりに単位面積から放出される黒体放射の全エネルギーは温度の4乗に比例するという法則です。ヨーゼフ・シュテファンが1879年に実験的に明らかにし、弟子のルートヴィッヒ・ボルツマンが1884年に理論的な照明を与えたことから名付けられました。
シュバルツシルト半径
しゅばるつしるとはんけい
ドイツの天文学者、カール・シュバルツシルトがアインシュタイン方程式から導出したものです。この半径よりも小さいサイズに収縮した天体はブラックホールになると言われています。
シューメーカー=レヴィ第9彗星
しゅーめーかー=れゔぃだい9すいせい
1994年に木星に衝突したことで有名な彗星です。1993年にユージン・シューメーカー、キャロライン・シューメーカーのシューメーカー夫妻とデイヴィッド・レヴィによって発見されたことから名付けられました。1994年7月に彗星から分裂した物体が相次いで木星の大気に衝突し、閃光やきのこ雲などが観測されました。歴史上初めて大勢の人が目撃した物体の衝突の瞬間でした。
小惑星探査機はやぶさ
しょうわくせいたんさきはやぶさ
2003年5月9日にM-Vロケット5号機により打ち上げられた日本の探査機です。イオンエンジン推進や小惑星サンプルリターンなどの成果を挙げ、数々の困難を乗り越え2010年に地球に帰還しました。Mu Space Engineering Satellite(ミュー・ロケットで打ち上げる工学実験機)の頭文字からMUSES-C(ミューゼスシー)と呼ばれていました。
小惑星探査機はやぶさ2
しょうわくせいたんさきはやぶさ2
2014年12月3日にH-IIAロケット26号機により打ち上げられた日本の探査機です。初代の「はやぶさ」が実験機だったのに対し、「はやぶさ2」は科学的成果を挙げるための「実用機」として開発されました。小惑星「リュウグウ」でサンプルリターンに成功し、2020年にその回収カプセルを地球に送り届けました。2023年現在でもその運用は継続しています。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
じぇいむず・うぇっぶうちゅうぼうえんきょう
2021年12月25日にアリアン5ロケットにより打ち上げられた宇宙望遠鏡です。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の後継機であり、完成までに10年の歳月と100億ドルがかかったと言われています。主鏡の大きさは6.5mとHSTの2.5倍にあたり、非常に高い観測性能を持ちます。運用開始後これまでに人類が目にしたことがない美しい画像が続々と送られてきています。
ジオスペース探査衛星あらせ
じおすぺーすたんさえいせいあらせ
2016年12月20日にイプシロンロケット2号機により打ち上げられた日本の探査衛星です。計画名はExploration of energization and Radiation in Geospaceといい、その頭文字をとってERG(エルグ)と呼ばれます。宇宙嵐による高エネルギー電子の生成や焼失過程、宇宙嵐の発達過程の観測などが目的です。
ジャイアントインパクト説
じゃいあんといんぱくとせつ
地球の衛星である月がどのように形成されたかを説明する学説のひとつで、巨大衝突説とも呼ばれます。原始地球と火星ほどの大きさの天体が激突した結果、月が形成されたとされるもので、この衝突をジャイアント・インパクト(巨大衝突)と呼びます。2023年時点で月の形成に関する最も有力な説となっています。
重力レンズ
じゅうりょくれんず
遠くの天体から出た光が、途中にある銀河や銀河団などの重力場によって曲げられる現象。重力場が凸レンズのように働くことから名づけられた。一般相対性理論の帰結の一つであり、重力レンズ方程式で記述される。
準天頂衛星みちびき
じゅんてんちょうえいせいみちびき
日本やアジア太平洋地域で利用可能な衛星測位システムを実現する一連の衛星群の名称です。初号機を2010年9月に打ち上げて以来、2023年現在で4号機まで打ち上げられています。全地球を対象とするGPSとは異なり、局地的な位置情報サービスを目的とするため、準天頂軌道という特殊な軌道で運用されています。高精度の測位の為にさらなる機数増が期待されています。
水星磁気圏探査機みお
すいせいじきけんたんさきみお
2018年10月19日にアリアン5ロケットにより打ち上げられた探査機です。JAXAとESAの共同プロジェクトである水星探査計画ベピ・コロンボ(BepiColombo)の一部であり、プロジェクト全体の指揮や水星表面探査機(MPO)の開発・運用などをESAが、水星磁気圏探査機「みお」(MMO)の開発・運用をJAXAが、それぞれ担当しています。
ステファンの五つ子
すてふぁんのいつつご
ペガスス座の方向約2億9000万光年の距離にある5つの銀河のあつまりです。1877年にエドゥアール・ステファンが発見しました。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で初観測された天体のうちのひとつで2022年7月にその姿が公開されました。互いの重力で引き合い合体しようとしている様子がわかり、銀河衝突のメカニズムが解明されることが期待されています。
スブラマニアン・チャンドラセカール
すぶらまにあん・ちゃんどらせかーる
インド生まれのアメリカの天体物理学者です。1983年にノーベル物理学賞を受賞しています。「チャンドラセカール限界」やNASAのX線観測衛星「チャンドラ」など、彼にちなんで名付けられた用語があります。
スペースデブリ
すぺーすでぶり
宇宙空間を漂う不要な人工物体のことです。運用を終えた人工衛星や、故障した人工衛星、打ち上げロケットの冗談、ミッション遂行中に放出した部品や破片などがあり、宇宙ごみとも呼ばれます。人類の宇宙開発の発展に伴ってその数は年々増え続けており、対策が必要となってきています。
スローン・デジタル・スカイ・サーベイ
すろーん・でじたる・すかい・さーべい
詳細な宇宙地図を作ろうとする計画です。1億個以上の天体の距離と明るさ、100万個の銀河までの距離、非常に遠方にあるクェーサーと呼ばれる天体10万個の距離を測定し、この宇宙がどのような構造をしているのかをこれまでにない規模で調査します。この研究は日本人天文学者も含む国際協力の下で進められています。
スーパーカミオカンデ
すーぱーかみおかんで
ニュートリノの性質を解明するために作られた観測装置です。1983年に完成し、小柴昌俊さんのノーベル賞受賞のきっかけともなったカミオカンデの後継にあたります。岐阜県飛騨市神岡町に位置すること(Kamioka)と、Necleon Decay Experimentの頭文字をとって名付けられました。2020年8月からは感度をさらに向上して観測を続けています。
スーパーローテーション
すーぱーろーてーしょん
天体(特に金星)において、大気が天体の自転の速さを超えて周回する現象です。金星では高度70km付近で時点の60倍にあたる秒速100mほどで大気が周回していることが知られています。長年その仕組みは謎に包まれてきましたが、金星探査機「あかつき」の観測データによりその謎が解明されつつあります。
成層圏プラットフォーム
せいそうけんぷらっとふぉーむ
成層圏に無人の飛行船などを滞空させ、高速インターネット通信などを可能にするものです。携帯電話やスマートフォンの通信で使用される地上設備が災害時に被害を受けた際のバックアップなどとして想定されています。1999年からは総務省や文部科学省などの組織を横断しての研究開発が行われ、2019年にはソフトバンクが事業化を発表するなど、期待が高まっています。
せいめい望遠鏡
せいめいぼうえんきょう
京都大学岡山天文台として建設された口径3.8mの光学赤外線望遠鏡です。旧国立天文台岡山天体物理観測所に隣接した敷地に建設されています。その名前は全国の一般応募により選ばれ、平安時代の陰陽師安倍晴明が阿部山で天文観測を行ったとされること、太陽系外惑星や地球外生命(せいめい)の探査を行うことなどからその名が付きました。
赤外線天文衛星あかり
せきがいせんてんもんえいせいあかり
2006年2月2日にM-Vロケット8号機により打ち上げられた日本の天文衛星です。赤外線による全天の観測を目的とし、スキャナのように望遠鏡の向きを変えながら様々な方向の画像を取得し、それを繋ぎ合わせて赤外線天空地図を作成していきました。太陽系内の小惑星観測でも成果を挙げています。
赤色超巨星
せきしょくちょうきょせい
直径が太陽の数百倍がから千倍以上あり、明るさが太陽の数千倍以上ある恒星のことです。代表的なものに、ベテルギウス(オリオン座のα星)やアンタレス(さそり座のα星)があります。
セファイド変光星
せふぁいどへんこうせい
星が膨張・収縮して大きさが変化することで星の明るさが変わる変光星のことです。ケフェウス座δ星に由来することから名付けられました。英名をCepheid variableと言います。Cepheidとは「ケフェウス座の」という意味ですが、その読み方からセファイドともケフェイドとも表記されるため、セファイド型変光星、ケフェウス座δ型変光星、などともいいます。
先進光学衛星だいち3号
せんしんこうがくえいせいだいち3ごう
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の光学ミッションを引き継ぐ地球観測衛星です。高い地上分解能(直下0.8m)を持ち、防災・災害対策や安全保障、環境モニタリングの研究など様々な用途への活用が期待されていました。2023年3月7日、H3ロケット試験1号機で打ち上げられましたが、軌道投入に失敗しました。
先進レーダー衛星だいち4号
せんしんれーだーえいせいだいち4ごう
陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)のミッションを引き継ぐ地球観測衛星です。観測幅を4倍に拡大したレーダ衛星で、発災後の状況把握や火山活動の早期発見など、減災への取り組みにおいて重要な役割を担います。2023年度にH3ロケットで打ち上げられる予定となっています。
全地球測位システム
ぜんちきゅうそくいしすてむ
米国が運用している衛星測位システムの名称です。人工衛星が発する電波により正確な位置を割り出し、カーナビゲーションシステムなどに広く使われています。英名をGlobal Positioning Systemといい、その頭文字をとったGPSという呼び方が一般的に広く使われています。
ソユーズ宇宙船
そゆーずうちゅうせん
ソビエト連邦(ソ連)およびロシア連邦の有人宇宙船の名称です。もともとは1960年代にソ連の有人月旅行計画のために制作されましたが、50年以上にわたって様々な改修型が開発され、いまだに国際宇宙ステーションへのアクセスなどに現役で活躍しています。なおソユーズはロケットの名称でもありますが、そちらは「ソユーズロケット」と呼ばれて区別されることがあります。
太陽観測衛星ひので
たいようかんそくえいせいひので
2006年9月23日にM-Vロケット7号機により打ち上げられた日本の科学衛星です。先代の太陽観測衛星である「ようこう」の観測成果をさらに発展させることを目標に開発されました。人工衛星の故障や健康被害などをもたらす太陽フレアの発生を予測または早期検出できるようにする「宇宙天気予報」の基礎研究に役立つと期待されています。
太陽系外惑星
たいようけいがいわくせい
太陽以外の恒星を公転する惑星のことです。地球外生命体の探索とともにその関心度や観測技術が高まってきました。初めて正式に確認されたのは1992年ですが、それ以来2023年時点で既に5000個もの太陽系外惑星が確認されています。
太陽同期準回帰軌道
たいようどうきじゅんかいききどう
人工衛星がとる軌道のうちのひとつです。太陽同期軌道と準回帰軌道を組み合わせたものです。太陽同期軌道は軌道面が太陽に対して常に一定の角度であるような軌道で太陽電池を有効に使用できます。準回帰軌道は1日に地球を数回周り、数日に1回、同一地域の上空を通過するものです。「だいち」シリーズなどの地球観測衛星の軌道として利用されることが多い軌道です。
種子島宇宙センター
たねがしまうちゅうせんたー
鹿児島県の種子島にある大型ロケットの打ち上げ基地(射場)です。英名をTaNegashima Space Centerといい、その頭文字をとってTNSCとも呼ばれます。2023年現在はH-IIAロケットやH3ロケットの射場として使用されています。周辺を海で囲まれていることから「世界一美しい射場」とも呼ばれています。
第一宇宙速度
だいいちうちゅうそくど
地表から水平に打ち出された物体が地球に落下せずに円軌道を描いて戻ってくることが出来る速度のことで、約7.9km/sです。宇宙速度には第二宇宙速度と第三宇宙速度もあり、第一宇宙速度以上第二宇宙速度未満の速度の場合、その物体は楕円軌道を描くことになります。また、第二宇宙速度を超えると地球の重力圏を脱出することができます。
大マゼラン雲
だいまぜらんうん
かじき座からテーブルさん座にかけて位置する星や星雲の集合体である銀河です。南天に位置するため、日本からは見ることが出来ません。なお、「~星雲」「~銀河」と呼ばれることもありますが、英名はthe Large Magellanic Cloudであるため「~雲」と訳されることが多いです。アニメ「宇宙戦艦ヤマト」では大マゼラン雲にイスカンダルがあるとされています。
ダイヤモンドリング
だいやもんどりんぐ
皆既日食の際に、皆既日食の開始直前と終了直後に見られる現象のことです。太陽を隠した月の周辺が太陽のコロナによりリング状に見え、さらに一部が明るく輝くことで、まるでダイヤモンドを備えた指輪のように見えることから、この名前が付きました。
ダストトレイル
だすととれいる
流星群のもととなるチリ(ダスト)が道(トレイル)のようになっている状態を指す用語です。1999年にイギリスの天文学者デイヴィッド・アッシャーとロバート・マックノートが提唱しました。突発的な流星群の出現などの予測に活用されています。
ダークエネルギー
だーくえねるぎー
宇宙の膨張を加速すると考えられているエネルギーの名称です。暗黒エネルギーとも呼ばれます。「暗黒」(ダーク)という呼び方は「未知で検出できないもの」という意味であり、黒いわけでも邪悪なわけでもありません。2023年時点では、宇宙の質量のうち約68%程度がダークエネルギーであると考えられています。
ダークマター
だーくまたー
宇宙の27%を占める正体不明の物質です。暗黒物質とも呼ばれます。「暗黒」(ダーク)という呼び方は「未知で検出できないもの」という意味であり、黒いわけでも邪悪なわけでもありません。宇宙の晴れ上がりの時点で運動のエネルギーが大きかった熱い「ホットダークマター」と、小さかった冷たい「コールドダークマター」の2つ種類が考えられています。
地球観測センター
ちきゅうかんそくせんたー
埼玉県比企郡鳩山町にあるJAXAの施設です。英名のEarth Observation Centerの頭文字をとってEOCとも呼ばれます。2023年時点では陸域観測技術衛星「だいち2号」と気候変動観測衛星「しきさい」のデータを扱っています。なお、地球観測研究センター(EORC)とは別物です。
地球外生命体
ちきゅうがいせいめいたい
地球以外の惑星や宇宙空間などに生存している生命のことです。地球外生命、地球外生物などとも呼ばれます。英名のextra-terrestrialの頭文字をとってE.T.とも呼ばれることもあります。この広い宇宙のどこかには、もしかしたら、私たちと同じように話し、笑い、考え、タイピングゲームに興じる生命がいるかもしれません。
チャンドラセカール限界
ちゃんどらせかーるげんかい
この限界を超えると超新星爆発にいたるとされる質量のことです。1930年代にこの説を提唱した物理学者スブラマニアン・チャンドラセカールの名前に由来します。白色矮星は自らの質量による重力と電子の圧力が釣り合うことによってその大きさを保っていますが、チャンドラセカール限界を超えた質量を持つことで支えきれなくなり、Ia型超新星爆発に至るとされています。
チュリュモフ=ゲラシメンコ彗星
ちゅりゅもふ=げらしめんこすいせい
欧州宇宙機関(ESA)の探査機「ロゼッタ」の探査対象になった彗星です。1969年に天文学者、1969年に天文学者、クリム・チュリュモフとスヴェトラナ・ゲラシメンコが発見したことから名付けられました。探査機ロゼッタの着陸機であるフィラエは2014年にこの彗星に着陸し、彗星核に到達した初めての探査機となりました。
超高速インターネット衛星きずな
ちょうこうそくいんたーねっとえいせいきずな
2008年2月23日にH-IIAロケット14号機により打ち上げられた日本のインターネット衛星です。無線による広範囲かつ超高速の固定用国際ネットワークを構築する技術を実証するために開発されました。アジア・太平洋地域の高速インターネットが行き届いていない地域や、災害時など地上設備による通信が困難な環境での通信技術の獲得などを目指して運用されました。
超新星爆発
ちょうしんせいばくはつ
星がその一生の最期に起こす大きな爆発のことです。急激に明るさが増すために、まるで新しく星が生まれたかのように見えたためにこの名前がつきました。爆発のしくみや爆発する前の星の質量などによって、いくつかの種類に分けられています。わたしたちの銀河系の近くでは、1987年に大マゼラン雲で超新星爆発が起こり、日本の観測・研究が大きな成果を残しました。
超長基線電波干渉法
ちょうちょうきせんでんぱかんしょうほう
宇宙のかなたにある天体から届く電波を利用して、地球上のアンテナの位置を高精度に測る技術です。英名のVery Long Baseline Interferometryの頭文字をとってVLBIとも呼ばれます。
超低高度衛星技術試験機つばめ
ちょうていこうどえいせいぎじゅつしけんきつばめ
2017年12月23日にH-IIAロケット37号機により打ち上げられた日本の技術試験機です。英名をSuper Low Altitude Test Satelliteといい、その頭文字をとってSLATS(スラッツ)とも呼ばれます。通常の地球観測衛星は高度600~800km程度を周回しますが、「つばめ」は高度200km付近の超低高度で周回し性能を実証しました。
超ひも理論
ちょうひもりろん
物質の基本的な構成要素を理解するためのモデルです。超弦(ちょうげん)理論ともよばれます。物質は素粒子とよばれる粒子、つまり「点」だとするものから、一次元的にひろがった「ひも」だとする理論です。バイオリンの弦がいろいろな音色を奏でるように、ひもも振動していろいろな状態を作り出すものと考えられています。
月周回衛星かぐや
つきしゅうかいえいせいかぐや
2007年9月14日にH-IIAロケット13号機により打ち上げられた日本の探査機です。英名をSelenological and Engineering Explorerといい、その頭文字をとってSELENE(セレーネ)とも呼ばれます。セレーネはギリシア神話の月の女神です。約1年半にわたり月を周回しながら様々な観測を行いました。
筑波宇宙センター
つくばうちゅうせんたー
茨城県つくば市にあるJAXAの施設です。筑波研究学園都市の一画にあり、1972年に開設しました。人工衛星の開発・運用およびその観測画像の解析、「きぼう」日本実験棟を用いた宇宙環境利用や、宇宙飛行士養成と活動推進などを行っています。H-Ⅱロケットの実機や実物大の人工衛星なども展示されています。
電磁イオンサイクロトロン波動
でんじいおんさいくろとろんはどう
周波数1Hz程度の電磁波で、EMIC波動(EMIC波)とも呼ばれます。地球近くの宇宙空間(ジオスペース)では様々な電磁波が自然発生しており、その電磁波がプラズマ(陽イオンと電子に分かれた状態にあるガス)の分布やエネルギーを変えてしまうことが知られいます。EMIC波動はこの一種で、オーロラの発生に寄与したりすると考えられています。
データ中継技術衛星こだま
でーたちゅうけいぎじゅつえいせいこだま
2002年9月10日にH-IIAロケット3号機により打ち上げられた日本の衛星です。英名をData Relay Test Satelliteといい、その頭文字をとってDRTSとも呼ばれます。高度36,000kmの静止軌道に位置し、高度数百kmの低・中高度衛星と地上局の通信を中継することで、これらの衛星の通信可能範囲を大幅に広げました。
東方最大離角
とうほうさいだいりかく
地球よりも太陽に近い惑星(水星・金星)が、地球からみて太陽の東側でみかけ上太陽からもっとも最も離れた状態になることをいいます。太陽から離れた位置にあるため見つけやすく、特に金星はとても明るいため、宵の明星として古くから親しまれてきました。西側にあるときは西方最大離角といいます。
特殊相対性理論
とくしゅそうたいせいりろん
物理学者アルベルト・アインシュタインにより1905年に発表された理論です。1915年に同じくアインシュタインにより発表された一般相対性理論と区別をするために「特殊」とつけられています。おもに光速度一定と相対性原理の二つが基礎となっており、現代物理学の根本原理のひとつです。
トラペジウム
とらぺじうむ
オリオン大星雲中心部の星生成領域にある散開星団の名称です。初期に観測された4つの明るい星が成していた形から、不等辺四辺形(台形)を意味するこの名前が付けられました。
トランジット法
とらんじっとほう
惑星が恒星の前を通り過ぎる(トランジットする)現象を観測する方法です。惑星がトランジットすると恒星の光がさえぎられて光度が変化します。その変化の度合いから惑星の大きさを見積もることができ、太陽系外惑星を検出する際によく用いられています。
トランスバース=トレースレス・ゲージ条件
とらんすばーす=とれーすれす・げーじじょうけん
重力波の性質をあらわす代表的なゲージ条件です。その頭文字からTTゲージ条件とも呼ばれます。ゲージ条件とは座標に関する条件のことで、座標変換することをゲージ変換といったりします。トランスバースとは「横方向の」という意味、トレースレスとは重力波のトレースが0(traceless)であることを指します。
ドレーク方程式
どれーくほうていしき
我々の銀河系に存在し人類とコンタクトする可能性のある地球外文明の数Nを算出する方程式です。「ドレイク方程式」とも表記されます。パラメータとして、人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する星の数や、ひとつの恒星が惑星系を持つ確率などがあり、それらを掛け合わせることでNを算出します。
夏の大三角
なつのだいさんかく
こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを結んで出来る大きな三角形のことです。いずれも1等星で日本では空高くまで昇り見つけやすいため、夏の星座の目印ともなります。
全球降水観測計画/二周波降水レーダGPM/DPR
ぜんきゅうこうすいかんそくけいかく/にしゅうはこうすいれーだGPM/DPR
全球降水観測計画は日米を中心として進められている計画で、Global Precipitation Measurementの頭文字をとってGPM計画ともよばれます。その軸となる人工衛星に搭載された二周波降水レーダを日本が担当しており、Dual-frequency Precipitation Radarの頭文字をとってDPRともよばれます。
ニュートリノ天文学
にゅーとりのてんもんがく
太陽や超新星爆発で生成されるニュートリノを観測し、天文現象の解明に役立てることを目的としたものです。1987年に超新星SN1987Aがあらわれ、日本のカミオカンデなどで観測されたことがニュートリノ天文学の幕開けとされています。東京大学名誉教授の小柴昌俊さんはこの功績で2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。
ニュー・ホライズンズ
にゅー・ほらいずんず
NASAが2006年に打ち上げた、冥王星を含む太陽系外縁天体の探査を行うための無人探査機です。2015年に冥王星に到達して、冥王星と衛星カロンを観測しました。それまではあまりにも遠すぎてほぼ光の点にしか見えなかった冥王星が、詳細な模様のある土地をもった惑星であることが分かりました。
野辺山宇宙電波観測所
のべやまうちゅうでんぱかんそくじょ
長野県南佐久郡南牧村に位置する日本の電波天文台です。正式名称は自然科学研究機構国立天文台野辺山宇宙電波観測所で、英語略称はNobeyama Radio Observatory、アルファベットの頭文字をとってNROとも呼ばれます。直径45mの大型の電波望遠鏡が特徴です。
ハイパーカミオカンデ
はいぱーかみおかんで
岐阜県飛騨市神岡町の旧神岡鉱山内に建設が予定されている超大型水チェレンコフ光検出装置です。2027年の実験開始を目指しています。2021年5月にその着工記念式典が行われました。完成すると、現行のスーパーカミオカンデの約20倍の水が蓄えられます。
ハイパーシュプリームカム
はいぱーしゅぷりーむかむ
国立天文台が国内外の諸機関と共同で開発した、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラです。Hyper Suprime-Camのアルファベットの頭文字をとってHSCともよばれます。
はくちょう座X-1
はくちょうざX-1
太陽系から見てはくちょう座の方向約7,300光年の位置にあるX線源です。地球から観測可能なX線源としては最も強力な天体の1つです。1974年に物理学者のスティーブン・ホーキングとキップ・ソーンの間で「はくちょう座X-1がブラックホールかどうか」賭けが行われたことでも有名です。その後、ほぼ確実にブラックホールであることが分かりました。
ハッブル=ルメートルの法則
はっぶる=るめーとるのほうそく
宇宙が膨張していることを述べた法則です。アメリカの天文学者ハッブルが発表した論文がもととなったことから、長年「ハッブルの法則」と呼ばれていましたが、宇宙膨張を最初に発見したベルギーの宇宙物理学者ルメートルの貢献を讃え、2018年8月の国際天文学連合(IAU)総会で、「『ハッブル-ルメートルの法則』と呼ぶことを推奨する」とされました。
ハッブル宇宙望遠鏡
はっぶるうちゅうぼうえんきょう
1990年にNASAによって打ち上げられた宇宙望遠鏡です。宇宙が膨張していることを観測的に発見したエドウィン・ハッブルの名が冠されています。空気の揺らぎのない宇宙空間での観測により、非常にシャープな天体画像を取得することが可能で、数々の観測成果を挙げています。
ハッブルディープフィールド
はっぶるでぃーぷふぃーるど
ハッブル宇宙望遠鏡の能力を限界まで駆使して、撮影できる最も遠くの暗い天体を写し出した画像です。銀河系内の星が少ないおおぐま座の方向を撮影したもので、写っている銀河はほぼすべて遠くの銀河です。宇宙誕生から10億年後くらいにできたものもあり、宇宙の進化を研究する上で重要な手がかりです。
バンアレン帯
ばんあれんたい
地球の周囲にあるドーナツ状の放射線帯のことです。アメリカの物理学者バンアレンが同国初の人工衛星エクスプローラー1号に搭載したガイガーカウンターで発見したことからこの名が付きました。ヴァンアレン帯と表記されることもあります。
パンクロマチック立体視センサ
ぱんくろまちっくりったいしせんさ
陸域観測技術衛星「だいち」に搭載されたセンサです。可視域の波長を用いて、前方視、直下視、後方視の3方向の画像を同時に取得することができます。Panchromatic Remote-sensing Instrument for Stereo Mappingの頭文字をとってPRISM(プリズム)とも呼ばれます。分解能2.5m、観測幅35kmです。
パーサビアランス
ぱーさびあらんす
NASAの火星探査車の名称です。2020年7月に打ち上げられ、2021年2月に火星に到達しました。地球以外の大気中をはじめて飛行する超小型の軽量ヘリコプター「インジェニュイティ」(Ingenuity)を搭載しています。perseveranceは「忍耐」という意味です。パーサヴィアランス、パーシビアランス、等いくつかの表記があります。
光衛星間通信実験衛星きらり
ひかりえいせいかんつうしんじっけんえいせいきらり
2005年8月24日にドニエプルロケットにより打ち上げられた日本の実験衛星です。英名をOptical Inter-orbit Communications Engineering Test Satelliteといい、その頭文字をとってOICETS(オイセッツ)とも呼ばれます。ESAの衛星ARTEMISとの間で世界初の双方向光衛星間通信を成功させました。
ヒッグス粒子
ひっぐすりゅうし
質量の起源を説明する理論であるヒッグス機構において存在が予想された素粒子です。ピーター・ヒッグス氏にちなんで名付けられました。2012年に欧州合同原子核研究機構CERNで発見され、その後存在が確実となりました。この功績で、ヒッグス氏はフランソワ・アングレール氏とともに2013年にノーベル物理学賞を受賞しました。
ビッグバン
びっぐばん
宇宙は非常に高温高密度の状態から始まり、それが大きく膨張することによって低温低密度になっていったとする理論、またはその初期の段階のことです。宇宙が膨張しているとするハッブル=ルメートルの法則を逆に考えれば、宇宙の初期にはすべての物質とエネルギーが一か所に集まる超高温・超高密度の状態にあったと考えられます。これが爆発して宇宙が生まれたとするものです。
ファルコン9
ふぁるこん9
アメリカの民間企業スペースX社により開発・運用されている2段式の商業用打ち上げロケットの名称です。2010年6月に初打ち上げが成功しました。その名称は映画「スター・ウォーズ」のミレニアム・ファルコン号に由来しており、数字の9は第1段エンジンの数を表します。
フェアリング
ふぇありんぐ
ロケットの最先端部に位置し、搭載している人工衛星などを打ち上げの際の大きな音響や振動、大気中を飛行する際に生じる摩擦熱から護る役割を果たすものです。 役目は卵の中身を守る"殻"と同じですが、軽くて丈夫で、かつ振動や熱に強い構造でなくてはいけません。
フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ
ふぇーずどあれいほうしきLばんどごうせいかいこうれーだ
陸域観測技術衛星「だいち」に搭載されたセンサのひとつです。雨天や曇天といった天候条件、また昼夜にも影響されずに観測ができる能動型のマイクロ波センサです。Phased Array type L-bandSynthetic Aperture Radarの頭文字をとってPALSAR(パルサー)ともよばれます。
ふたご座流星群
ふたござりゅうせいぐん
毎年12月13日前後に極大を迎える流星群です。空気が澄んで夜の時間も長い冬の時期であり、かつ放射点も高く上り、三大流星群の中ではもっとも観測される流星数が多い人気の流星群です。
フラウンホーファー線
ふらうんほーふぁーせん
太陽光等の連続した光のスペクトルにおいて、ところどころに生じている暗線のことです。ドイツの物理学者ヨゼフ・フォン・フラウンホーファーの名前に由来します。光源から観測地点までの間に存在する様々な物質が、特定の波長の光を強く吸収するために生じます。
フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量
ふりーどまん・るめーとる・ろばーとそん・うぉーかーけいりょう
一般相対性理論のアインシュタイン方程式の厳密解の一つで、一様・等方な物質分布のもとで、膨張または収縮する宇宙モデルを表します。1920年代にアレクサンドル・フリードマン、ジョルジュ・ルメートル、ハワード・ロバートソン、アーサー・ウォーカーらによって独立に議論されていたことからこの名が付きました。
ブラックホール
ぶらっくほーる
重い星がその進化の最終段階に大きな爆発を起こしたときに、自分自身の重力で押しつぶされてしまった天体です。ブラックホールは光さえも吸収してしまうことからその姿をとらえることは困難でしたが、2022年5月にイベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)が、私たちが住む天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの撮影に初めて成功しました。
プラネタリウム100周年
ぷらねたりうむ100しゅうねん
近代的なプラネタリウムは、1923年にドイツ博物館で試験公開、1925年に一般公開され、100年の歴史が始まりました。このことから、2023年~2025年にかけて、プラネタリウム100周年のイベントが各地で開催されます。ぜひお近くのプラネタリウムに足を運んでみましょう。
プルームテクトニクス
ぷるーむてくとにくす
1990年以降に出てきた地球物理学の新しい学説です。従来のプレートテクトニクス理論では地球の表面に存在するプレートの変動(テクトニクス)を扱うのに対し、この説ではマントルのプルーム(筒状の上下の流れ)の動きを扱います。
高精度視線速度計外惑星探査装置
こうせいどしせんそくどけいがいわくせいたんさそうち
ヨーロッパ南天天文台(ESO)が2003年から運用している太陽系外惑星の観測装置の名称です。英名をHigh Accuracy Radial Velocity Planet Searcherといい、その頭文字をとってHARPSとも呼ばれます。恒星のスペクトルに現れる光のドップラー効果を測定することで間接的に惑星の公転(つまり惑星の存在)を測定します。
プレアデス星団
ぷれあですせいだん
おうし座にある散開星団で、日本では「すばる」とも呼ばれます。1769年にメシエカタログの45番に加えられたので「M45」とも呼ばれます。属している星は120個ほどで肉眼でも6~7個見ることができるくらいにとても明るい星の集まりです。星の周りにあるガスが星からの紫外線に照らされて、星と共にぼんやり輝いて見えています。
プレートテクトニクス
ぷれーとてくとにくす
1960年代以降に発展した地球科学の学説です。地球の様々な変動の原動力を地球の全表面を覆う十数枚の厚さ数十kmほどの岩盤(プレート)の運動で解釈しようとするものです。そのプレートの境界部に様々な変動が生じることにより、地震や火山をはじめとする様々な地学現象が発生するとされます。
プロミネンス
ぷろみねんす
太陽は薄い大気に覆われていますが、この大気は不安定で時々上空に吹き上げられます。これがプロミネンスです。静かなものや活発なものがあり、形もさまざまです。その高さは地球の直径くらいから、時には地球の100倍にもなります。見え方としては太陽の縁では明るく見え、太陽面上では暗い筋のように見えます。
ヘルツシュプラング・ラッセル図
へるつしゅぷらんぐ・らっせるず
多くの星について、明るさと表面温度(星の色)を調べて描くグラフです。この長い名前は、図を初めて作った2人の天文学者にちなんでいて、普通は略してHR図と呼びます。この図を描くと、グラフの点の位置からその星の状態がわかるようになっています。例えば、安定した活動をしている星は左上から右下へと伸びる直線上に位置し、死を迎えつつある星は図の右上側に集中します。
ペルセウス座流星群
ぺるせうすざりゅうせいぐん
三大流星群のうちのひとつで、毎年8月12日前後に極大を迎えます。ちょうど夏休みの時期であるため、子どもに人気の流星群です。ペルセウス座はカシオペア座のとなりにありますが、あまり高くは昇りません。ですが流星自体はペルセウス座周辺だけではなく全天にわたって見えますので、なるべく視界が開けたところで観測するのがポイントです。
放射性同位体
ほうしゃせいどういたい
原子番号が等しく質量数が異なる元素を同位体といい、同位体のうち放射能を持つものを放射性同位体といいます。放射性同位体を含む元素の組成割合を調べることは天文学では非常に重要です。例えば、放射性同位体ニオブ92は半減期が3700万年であり、小惑星から採取したサンプルや隕石に含まれるニオブ92の量を調べること年代推定が出来ると期待されています。
ホットジュピター
ほっとじゅぴたー
太陽系外の惑星のなかで、木星ほどの大質量をもつガス惑星で、主星に非常に近い軌道を公転周期数日という高速で回っている惑星のことをいいます。主星に非常に近いところを公転している影響で、表面が非常に熱く煮えたぎっているためにこのように呼ばれています。
マーズ・パスファインダー
まーず・ぱすふぁいんだー
アメリカ航空宇宙局(NASA) JPLがディスカバリー計画の一環として行った火星探査計画、またはその探査機群の総称です。1997年7月に火星に着陸しました。従来のロケット推進を用いた軟着陸ではなく、惑星探査の低コスト化を図るためにエアバッグに全体を包み込んで惑星表面に突入し、地表でバウンドさせるという独特の着陸システムを確立しました。
水循環変動観測衛星しずく
みずじゅんかんへんどうかんそくえいせいしずく
2012年5月18日にH-IIAロケット21号機により打ち上げられた日本の地球観測衛星です。地球環境変動観測ミッション(Global Change Observation Mission:GCOM:ジーコム)の衛星であり水循環変動(Water)に関する衛星の初号機であることから、GCOM-W1とも呼ばれます。「しずく」は愛称です。
メシエ天体
めしえてんたい
メシエカタログに載っている天体の事です。メシエカタログとは、フランスのシャルル・メシエという天文学者が彗星探しをしている中で、彗星と紛らわしい天体(星雲・星団・銀河など)があったため、それらを表にしてまとめたものです。メシエ天体は、「Messier(メシエ)」の名前の頭文字、「M」を数字に付けて表します。
モーンダー極小期
もーんだーきょくしょうき
おおよそ1645年から1715年にかけて太陽黒点の観測数が著しく減少し、太陽磁気活動が弱まった期間の名称です。太陽天文学の研究者で黒点現象の消失について過去の記録を研究したエドワード・モーンダーの名前にちなみます。マウンダー極小期とも表記されます。
ヤルコフスキー・オキーフ・ラジエフスキー・パダック効果
やるこふすきー・おきーふ・らじえふすきー・ぱだっくこうか
おもに小惑星のように固有の自転運動をする不均一な形状の天体において、太陽から受ける光の圧力(輻射圧)と天体表面からの熱放射のバランスが天体上の場所によって異なることで回転力が生じ、自転速度が変化する効果です。Yarkovsky–O'Keefe–Radzievskii–Paddack effectの頭文字をとってYORK効果(ヨーク効果)とも呼ばれます。
ラグランジュ点
らぐらんじゅてん
天体力学において円制限三体問題の5つの平衡解のことです。質量の大きな二体間を結ぶ直線状にあるL1、L2、L3、および二体間を結ぶ直線を一辺とする正三角形の頂点となるL4とL5がラグランジュ点となります。2021年に打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はL2に位置しています。
陸域観測技術衛星だいち
りくいきかんそくぎじゅつえいせいだいち
2006年1月24日にH-IIAロケット8号機により打ち上げられた日本の地球観測衛星です。英名をAdvanced Land Observing Satelliteといい、その頭文字をとってALOS(エイロス)とも呼ばれます。災害被害観測、熱帯雨林違法伐採の観測、国土地理院の地図作成など様々な分野で貢献、2011年の東日本大震災観測後にその役目を終えました。
陸域観測技術衛星だいち2号
りくいきかんそくぎじゅつえいせいだいち2ごう
2014年5月24日にH-IIAロケット24号機により打ち上げられた日本の地球観測衛星です。英名をAdvanced Land Observing Satellite-2といい、その頭文字をとってALOS-2(エイロスツー)とも呼ばれます。初代「だいち」のレーダミッションを引き継いだ衛星で大型の合成開口レーダを搭載、災害状況把握などに活躍しています。
惑星分光観測衛星ひさき
わくせいぶんこうかんそくえいせいひさき
2013年9月14日にイプシロンロケット試験機により打ち上げられた惑星観測用の宇宙望遠鏡です。英名をSmall scientific satellite Platform for Rapid Investigation and Test - AといいSPRINT-A(スプリントエー)とも呼ばれます。愛称「ひさき」は内之浦の地名「火崎」に由来します。
しぶんぎ座流星群
しぶんぎざりゅうせいぐん
三大流星群のうちのひとつで、毎年1月4日前後に極大を迎えます。しぶんぎ座は現在では存在しない「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座に由来しています。また「りゅう座ι(イオタ)流星群」と呼ばれることもあります。
パンドラ銀河団
ぱんどらぎんがだん
ちょうこくしつ座の方向約40億光年の距離にあり、Abell 2744とも呼ばれる銀河団です。4つの銀河団が衝突してできたと考えられています。これまでにもハッブル宇宙望遠鏡やチャンドラX線観測衛星がその姿をとらえてきましたが、2022年にジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が様々な波長によりこれまで以上に鮮明な画像をとらえました。
GN-z11
GN-z11
おおぐま座の方向にある銀河です。見かけの距離は約134億光年、実際の距離は約320億光年先にあるとみられ、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもっとも昔の銀河とされています。宇宙の年齢は138億年と考えられているため、この銀河は宇宙のはじまりからわずか4億年後に出来たと考えられています。
SMACS0723
SMACS0723
とびうお座の方向約46億光年の距離にある銀河団です。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が最初に観測対象とした銀河団で、2022年7月にその姿が初公開されました。この画像では重力レンズ効果がみられ、背後にあるはるか彼方の銀河を大きく引き延ばし、曲げられている様子がはっきりと分かります。
宇宙の崖
うちゅうのがけ
りゅうこつ座の方向約7600光年の距離にあるイータカリーナ星雲にある星形成領域NGC3324にみられる構造の愛称です。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が最初に撮影対象とした領域で、2022年7月にその姿が公開されました。非常に大きく熱く若い恒星からの強烈な紫外線などにより星雲の壁がゆっくりと侵食され、まるで崖のようにみえています。
コロナグラフ
ころなぐらふ
明るい星の光を隠すことでまわりの暗いガスやチリの存在をあぶり出す技術です。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で採用されており、これにより原始惑星系円盤や恒星の周りをまわる惑星の微かな光も撮影することが可能になりました。惑星の色を捉えることで大気の成分をより詳細に解析することが可能になるため、生命の痕跡を捉える上で極めて重要になるでしょう。
創造の柱
そうぞうのはしら
へび座の方向約6500光年の距離にある「わし星雲」(M16)の中心部に見られる柱状の構造です。1995年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影したことで一躍有名になりました。2022年にジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が近赤外線画像でその姿をとらえ、分厚い雲に覆われていた箇所もくっきりと見ることができるようになり、その見た目の美しさは多くの人を魅了しています。
LHS475b
LHS475b
はちぶんぎ座の方向約41光年の距離にある赤色矮星LHS475を公転している太陽系外惑星です。地球と同様に主に岩石で出来ており、ほぼ同じ大きさであると考えられています。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって観測されたはじめての太陽系外惑星で、同望遠鏡が太陽系外惑星の詳細な調査・観測にも活用できることを示唆しています。
MACHO
MACHO
Massive Compact Halo Objectの頭文字をとったアクロニムです。「マッチョ」または「マチョー」と発音されます。質量を持つコンパクトなハロー天体の意味です。
WIMP
WIMP
Weakly Interacting Massive Particlesの頭文字をとったアクロニムです。冷たいダークマターの候補とされる仮説上の粒子です。wimpは英語で「弱い」「怖がり」といった意味合いで、MACHOとの対比になっています。
深宇宙探査技術実証機DESTINY+
しんうちゅうたんさぎじゅつじっしょうきDESTINY+
JAXAが検討中の深宇宙探査技術実験ミッションです。「デスティニー・プラス」と呼びます。DESTINYはDemonstration and Experiment of Space Technology for INterplanetary voYage、PLUSはPhaethon fLyby and dUst Scienceの略称です。
こんにちは、お元気ですか?
こんにちは、おげんきですか?
探査機ボイジャー1号・2号に搭載されたゴールドディスクには様々な国の言葉による挨拶が入っています。日本語では女性の声で「こんにちは、お元気ですか?」と収録されています。もしボイジャーが地球外生命体に発見されたら、はじめて知る日本語は「こんにちは、お元気ですか?」になるかもしれませんね。
小型月着陸実証機SLIM
こがたつきちゃくりくじっしょうきSLIM
2023年9月7日にH-IIAロケット47号機により打ち上げられた日本の無人月面探査機・着陸機です。月面へのピンポイント着陸を目指すことから「ムーンスナイパー」の異名もあります。2024年1月20日に日本初となる月面への軟着陸に成功、SLIM本体から放出された変形型月面探査ロボット「SORA-Q」が軟着陸したSLIM本体の姿を捉えた画像が公開されました。